<FEATURES>

「ベスト・ウェディング」+「キャンディ・キス」
Late Bloomers + Candy Kisses
「ヘッド・オン!」 Head On
「ローラとビリー・ザ・キッド」
Lola and Billy the Kid (Lola und Bilidikid)



「ベスト・ウェディング」 Late Bloomers
監督:ジュリア・ダイアー
dir. Julia Dyer (1996/USA/35 mm/101 min)
World distribution by Cowboy Booking International

「キャンディ・キス」 Candy Kisses
監督:アリソン・ミッチェル
dir. Allyson Mitchell (1999/Canada/16mm/3 min)

女性2人が恋に落ち、やがて家族や周囲の理解を獲得していく……。ありがちな話? でもここで違うのは、その2人が中年のオバサンだってこと。高校の数学教師兼バスケ部顧問のディナと、オ−バ−サイズ気味の事務職員カーリーは、ひょんなことから急接近。エクササイズ代わりのバスケットボールの練習を重ねるうちに恋が芽生え……。しかし、カ−リ−には同じ高校の教師をしている夫、そこに通う子供もいる。家族よもり本当の愛を貫く事を決心した2人は失業・離婚のリスクも顧みずカムアウト。当然、家庭は大騒ぎ、学校では陰口を叩かれ、PTAでは弾劾される。果たしてカーリーとディナの恋の行く末は? 夫は? 子供は? オバサン同士の恋はスタイリッシュには描かれないけれど、失業しても離婚しても、なんだかどっしり肝が座っていて潔い! 恋は若者の特権なんて誰が言った? オバサンだってオジサンだって、レッツ・ゴ−! みんなだって映画が終わる頃には、この愛すべきチョイダサな2人にライスシャワ−を降らしていることでしょう。
「私だけを見ていてほしいのに」、「好きな人がたくさんいるっていいことじゃない?」とかわいいアニメが問いかける短編『キャンディ・キス』も同時上映。

TOKYO: 7/21, 19:00
OSAKA: 7/31, 20:45
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「ヘッド・オン!」 Head On
監督:アナ・コッキノス
dir. Ana Kokkinos (1998/Australia/35 mm/104 min)

メルボルンに住むアリは、まともな職に就くわけでもなく、友人たちと無為な時間を過ごし、クラブ通いとドラッグ、そして行きずりの男たちとのセックスを繰り返している。ギリシャ移民の父は、そんな息子の姿を苛立たしく思うが、アリは一向に改めようとしないし、父が誇りに思うギリシャ系としてのアイデンティティに不快感すら感じている。妹のアレックスは、レバノン人のボーイフレンドと一緒で家にはなかなか帰らない。そんなアリと家族との衝突や交流、ゲイとしてのアイデンティティとの格闘、やり場のない怒りを抱えてさまよう青春像が鮮烈に描き出されている。と同時に、この映画は、オーストラリアの多民族国家としての側面に焦点を当て、民族・セクシュアリティ・家族といった事柄に鋭く切り込んでいる。アリを演じるセクシーなアレックス・ディミトリアデスの圧倒的な存在感は、映画にさらなる厚みを加え、傷つきながらも自分だけの自由を求めて突っ走る姿が痛々しくも胸にしみる。ゲイを主人公とした新しい青春映画の傑作の誕生だ。カンヌ国際映画祭の監督週間に出品された後、オーストラリア映画批評家協会最優秀主演男優賞、助演男優賞他、多くの賞を受賞している。

*オンリー・ハーツ配給により、俳優座トーキーナイトで今秋公開予定。
*後援:オ−ストラリア大使館

TOKYO: 7/20, 19:00
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「ロ−ラとビリ−・ザ・キッド」
Lola and Billy the Kid (Lola und Bilidikid)
監督:クトラグ・アタマン
dir. Kutlug Ataman (1998/Germany/35 mm/90 min)
in German and Turkish with English subtitles
World distribution by Cowboy Booking International

ベルリンに住むトルコ人少年ムラートは、家父長的な兄と無力な母親との、閉塞的な生活に息苦しさを感じていた。ある日家を訪ねてきた男は、ムラートが生まれる前にゲイであることを理由に勘当された2番目の兄で、今はローラという名でドラァグ・クイーンとして働いている。ローラにはビリーという愛人がいるが、性転換をして女になることを望まれている。それはドイツ人の若者による、度重なる嫌がらせから逃れるためでもあった。ある日ローラが彼らに殺害されるに至って、ビリーとムラートは壮絶な復讐を決意した……。ベルリンのトルコ人コミュニティを舞台に、トランスジェンダー、人種差別、トルコ社会の家父長制、といったアクチュアルな問題にパワフルに切り込み、ベルリン映画祭ではドイツ映画の新境地を切り開いたとして大いに評価された話題作。

TOKYO: 7/23, 12:00
OSAKA: 7/30, 20:45
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