イスラエル屈指のテレビディレクターとして評価も高く、同国ゲイ・カルチャーのイコン的存在でもあるエイタン・フックス。彼の代表作「フロレンティン」を取り上げると同時に、初期作品「タイム・オフ」と最新作「ハートが肝心」を短編集『男の世界』、『あぁ、愛の家族』の中で特集上映します。
1995年、平和の兆しに沸き立つイスラエル。「フロレンティン」は、テルアビブの
ヒップなフロレンティン地区に住む若者たちの生活を活き活きとリアルに描いたテレビドラマだ。軍隊やマチスモといったイメ−ジが強いイスラエルだが、ゲイの登場人物だけでなくそのセックスをもはっきりと描いた初のメジャーなテレビドラマとして
、大きなセンセーションを巻き起こした。
物語は、高校の同級生エズレの戦死にショック受け放浪の旅に出ていた映画学校の学生トーメルがようやく帰国し、同じ高校の仲良しだったシーラ、トゥッティ、それに彼女たちのゲイの友達イッギの同居するアパートに転がり込むところから始まる。
全13話からなるこのシリーズは、仕事や恋愛、家族との関係など様々な問題に直面
する20代半ばの彼らの生活を、多くのエピソードを絡めて描いていくが、当映画祭では特にトーメルのカミングアウトのプロセスを主軸に展開する第4〜6話を上映する。それはちょうど、和平政策を進めていたラビン首相暗殺のニュースが街を駆け抜けるところでクライマックスを迎える。
エ協力 イスラエル大使館、イスラエル・チャンネル2
「フロレンティン」(4〜6話) Florentene
監督:エイタン・フックス Eytan Fox
(1997/Israel/Video/100min)
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