スペイン特集 GAY IMAGES IN SPANISH CINEMA
(2001/5/18)

 
「猥褻(わいせつ)行為〜キュ−バ同性愛者強制収容所〜」
Mauvaise conduite (Dirty Conduct)
7/19,18:45

1966年秋パリでキュ−バ国立バレエ団が公演中、10名のダンサ−がフランス当局に亡命を申し出た。「キュ−バに帰れば同性愛者の強制収容所に入れられる」彼らが恐れるその収容所で何が行われていたのか。フランソワ・トリュフォ−作品などのキャメラマンだったネスト−ル・アルメンドロス監督によるこのドキュメンタリ−は、国外に亡命した元囚人たちへの証言を元にその実態に迫ると同時に、ヒットラ−や毛沢東、スタ−リン、マッカーシーといった人々による同性愛者迫害の歴史にも触れている。さらにス−ザン・ソンタグ、映画「夜になるまえに(秋公開予定)の原作者レイナルド・アレナスなど各界知識人へのインタビュ−も興味深い。

『猥褻行為〜キュ−バ同性愛者強制収容所〜』 Mauvaise conduite (Dirty Conduct)
監督:ネスト−ル・アルメンドロス Nestor Almendros
(1984/France/35mm/100min)

 

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ネストール・アルメンドロス

1930年、スペイン生まれ。フランコ政権を逃れ、両親と共にキューバへ移住する。
学生時代から映画作りに没頭し、海外で映画を学ぶ機会を得る。バティスタ政権崩壊後にキューバに戻り、嫌々ながらプロバガンダ用のドキュメンタリー製作に関わるが、この仕事は後の彼の作風に大きな影響を及ぼす。ヌーヴェル・ヴァーグ全盛期のフランスに渡り、フランソワ・トリュフォー(「恋のエチュード」「アデルの恋の物語」「終電車」など)やエリック・ロメール(「モード家の一夜」「クレールの膝」「海辺のポーリーヌ」など)らと組み、撮影監督としての名声を高める。後にアメリカ映画界からも呼ばれ、ジャック・ニコルソンの監督デビュー作の撮影を手掛けるほか、「天国の日々」でアカデミー最優秀撮影賞受賞、「クレイマー、クレイマー」「青い珊瑚礁 」「ソフィーの選択」の3作品で同賞候補となる。監督2作目で、投獄された政治犯について扱った「ノーボディ・リスンド(Nobody Listened)」が1989年の山形国際ドキュメンタリー映画祭で優秀賞を受賞。他にもジョルジオ・アルマーニやカルバン・クラインの広告も手掛ける。「夜になるまえに」の作者レイナンド・アレナスがアメリカに亡命した後、二人は交友を深め、彼らのキューバへの思いがこの「猥褻行為」に集約される。
1992年、エイズのために死去。

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