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●クィア探険隊<第1回>
 「友達が映画に出る! 〜「浮気なぼくら」鑑賞記〜」
written by david
友達が映画に出る。これは、結構すごい出来事である。普段、一緒に映画を観に行っている人間が、スクリーンの中で演技をしているのである。たとえ、それがゲイポルノの端役であってもだ。

そんなわけで、いつの間にか、芸名がついていた友人、本田唯一俳優デビュー作となる「浮気なぼくら」(2001)の試写にでかける。本田さん、女優の鈴木敦子さんと東映化学の試写室へ。監督をはじめ関係者の方々が大勢いて、少々緊張する。「浮気なぼくら」は、女優であり、ピンク映画の監督である吉行由実さんの最新作で、去年の当映画祭で上映された「僕は恋に夢中」(1999)に続く今泉浩一脚本のコンビ作。自分の性に悩む高校生の成長を描いた「僕恋」とは違い、「浮気なぼくら」は、コメディ的要素が強い作品だ。なにしろ、バケツが頭めがけて、空から降ってくるシーンまであるのだから。

2年同棲しているカップル。自分の浮気に少しの反省の色を見せずに、平気で話すガッチャンに頭に来たタカユキは、「自分も浮気してやる」と宣言、新宿のまちにくり出す。ガッチャンは、慌てて、自転車で追っかけるが…というストーリー。中野貴雄監督やドラァグクィーンのマーガレット女史などゲスト陣も豪華。

本田唯一さんの出演シーンは、タカユキが夜のまちをさまよう中で、新宿2丁目の公園のトイレで目撃してしまうゲイカップルのハッテンシーン。コミカルな映画の中で、このシーンだけは、殺伐としたシャープな演出で、タカユキも息を飲んで見続けてしまう。本田さん、男の人と絡んでたんですが、顔があまり見えなかったので、どっちが彼だか、途中までわからなかったんだけど、後ろ姿がいつも僕が見ている友人のものだったので、「おっ」と思った。これが本田唯一デビューの瞬間なんだね。どきどき。映画が終わった後、「ねぇ、勃った? 勃った?」としつこく聞いてくる本田さんを無視。劇中で本田さんが身につけていたケツワレサポーターについて、鈴木敦子さんの「あんなパンツ、初めてみました」発言は、可笑しかった。

吉行監督は「この脚本の意図は『浮気してもいいじゃん』ということ。そこがうまく表現できたか気になる」ともおっしゃってました。う〜ん、よくわかんないけれど(と逃げる)、タカユキを追いかけるガッチャンの一生懸命さと、「どうしよう」とそれを浮気相手に相談するいい加減さは伝わってきたな。ラストで仲直りして、タカユキを見送るガッチャンが「あ〜、浮気してッ」と呟くところなんかもすごくいい(できれば、ガッチャンの顔を最後に映してもらいたかったけど)。

「浮気してもいいじゃん」と言葉の裏には、ゲイの人にしかわからない意味があるのかもしれないとも思うんだけど、そこらへんはセクシュアリティの感覚的な問題だし、深く考えない方がよいのかも。ラストシーンは、何故か突然、草原のピクニック。本田さんが「何故、ピクニックになったんですか」と監督に聞いたら、「夜のシーンばっかりだったし、明るいシーンを入れたかったの」みたいなことをおっしゃってました。吉行監督には、その感覚を大切にしてほしい。
(2002/01/01up)
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