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劇団フライングステージ 
関根信一さん ロングインタビュー


2002年3月25日
新宿:東京レズビアン&ゲイパレード2002事務局
聞き手:砂上史子(映画祭事務局)
 ゲイであることをカミングアウトし、ゲイであることをテーマにしたお芝居を上演している劇団フライングステージ。 他の劇団にはないコミュニティとの強い絆と、セクシュアルマイノリティ以外にもアピールするリアルで奥行きのある戯曲。 その実力は第9回池袋演劇祭でグランプリ受賞という実績にも現れています。
 今回のクィア探検隊は、今年旗揚げから10年という節目を迎えた劇団フライングステージの魅力をお伝えするべく、 主宰者であり、今年の東京レズビアン&ゲイパレード2002の実行委員長でもある関根信一さんのインタビューをお届けします。 劇団のことはもちろん、L&G映画祭について、そしてこの夏のパレードについて、 語っていただきました。

≪劇団フライングステージのはじまり≫
−関根さん自身はお芝居を始められたのは、いつ頃ですか?
 スタートは「高校演劇」なんですけど、僕は最初「劇団四季」に入りたかったのね。1980年に『コーラスライン』というミュージカルを観て、「ダンサーになろう、市村正親になろう」って思って、ダンスや歌のレッスンを始めました。『キャッツ』のオーディション受けたりもしたんですよ。落ちたけど。その後、ミュージカルより普通の芝居をやってきたいなぁと思って、新劇の劇団の養成所に入ったんだけど、その養成所で「うちにいるより歌舞伎か新派に行った方がいいよ」って言われて。その劇団の養成所を出た後、僕は、芝居をやめたのね。
ただ、ちょうどその頃、当時、関わり始めてた南定四郎さんがやってたグループのなかで「劇団をやらないか」っていう話が持ち上がって、僕は「経験者」ってことで誘われて、「じゃあ、やってみようかな」って軽い気持ちで、始めてみたんですよ。それがフライングステージの始まりです。最初は「劇団」っていうよりは、「芝居好きな人のコミュニティ」だったんですよね。それが、この十年で、芝居をやるために集まってる、今の劇団のような形になりましたね。

−「ゲイウォーカー」のインタビューの記事で、「僕はフライングステージはある意味、リブ団体と思っているところがある」とおっしゃっていて。
 僕は「リブ」が好きなのね(笑)。ただ、僕がやりたいと思っているのは、ある種「巧妙なリブ」っていうか、そんなものなのね。ある意見やメッセージを伝えるんだったら、紙に書いて「はい」って渡せば伝わるじゃないですか? でも、演劇を通じてできることっていうのは、あるメッセージを伝えるというよりは、心を動かしちゃう、感動させてしまうっていうことじゃないかと思うんです。言葉にならない部分を、理屈じゃないところで伝えてしまう。例えば、うちの芝居を見た後で、ふっと、気がついてみたら、ゲイやセクシュアルマイノリティに対する偏見がなくなったりしてたらいいなぁなんて思ってるんですよ。
 「どうして(劇団フライングステージは)あるんだろう」って考えるときがあるのね。別に「ゲイの劇団」なんていちいち言わなくてもいいんじゃないかって。でも、この頃思うんだけど、例えば映画祭でもフライングステージでもそうなんだけど、こういうのって「あってほしいもの」だと思うんだよね。自分がやるっていうこととは関係なく、あってほしいって。だって、とっても元気づけられる気がするのね。きっちり「ゲイ、レズビアン、セクシュアルマイノリティの映画祭だよ」とか「ゲイの劇団だよ」って言い切ってるものがあるっていうことは。例えば、ゲイであったり、セクシュアルマイノリティだったりすることからくるつらさみたいなものって誰でも抱えてるんじゃないかと思うんだけど、そんなものをふっと忘れられるっていうか、「あ、そういうふうにパーンとやってるんだ」って思えるのは、きっと元気のもとになるんじゃないかなって。もしかしたら、僕は単純に「若い頃の僕が欲しかったもの」を今やってるのかもしれないんだけどね。

(2002/07/15up)
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