ドキュメンタリー映画『クイーン・オブ・アイルランド』 特別上映会のお知らせ

レインボー・リール東京はアイルランド大使館との共催により、2018年10月5日(金)ユーロライブ(渋谷)にて、映画『クイーン・オブ・アイルランド』(日本初上映)の特別上映会を開催します。本作は、アイルランドで知らない人はいない国民的ドラァグクイーン“パンティ・ブリス”の激動の半生を追ったドキュメンタリー。パンティのパワフルでユーモアのある言葉の数々に引き込まれること間違いなしの痛快作です。上映後には、パンティ本人を迎えてのトークイベントも予定(日本手話あり)。この貴重な機会をどうぞお見逃しなく。

《開催概要》

主催:NPO法人レインボー・リール東京
共催:アイルランド大使館(Twitter
日時:2018年10月5日(金)18:45開場/19:00開演
会場:ユーロライブ(渋谷) http://eurolive.jp/access/
チケット料金:1,500円
※当日18:00~会場受付にて販売します(前売り券の販売はありません)
※整理番号順入場・自由席

『クイーン・オブ・アイルランド』について


ドラァグクイーンがアイルランド社会にモノ申す!
「私はおちゃらけた道化師だから、人が言えないことでも平気で言ってやれるのよ」

  

1968年、アイルランドで同性愛が犯罪とされていた時代、ローリー・オニールは小さな町バリンローブで生まれた。自分をゲイだと知りながら育った彼は、ダブリンでの美大時代にドラァグクイーンの世界に出会い、その芸術性に魅了される。そして80年代後半、バブル全盛期の東京に渡ったロリーは、“パンティ”という芸名を名乗り、ドラァグクイーンとして花開いていくのだった。

90年代半ば、同性愛が非犯罪化されたアイルランドに帰国したパンティは、ダブリンのクラブシーンで一気にブレイク。そんなさなか、彼にHIV陽性の診断が下される。まだエイズが不治の病とされていた時代だ。しかし、パンティは逆境にめげることなくHIVチャリティのための演芸大会“Alternative Miss Ireland”やダブリン・プライドの司会を務め、舞台やテレビでも活躍。やがてアイルランドのゲイ・コミュニティを代表する存在となる。

パンティの名が世界に知れ渡ったのは2014年のこと。彼が公営テレビRTEでゲイ差別をするジャーナリストを告発したことに対し、裁判沙汰を恐れたRTEがジャーナリストに謝罪して慰謝料を支払った(通称“パンティゲート事件”)。これが言論の自由の侵害であるとして、国会や欧州議会が取り上げる事態にまで発展。騒動を受けてパンティが行ったスピーチは「過去200年間のアイルランドで最も説得力のあるスピーチ」としてインターネットで注目を集め、マドンナやルポールなど多くのスターが支持を表明した。

そして2015年5月、同性婚の合法化を問う世界初の国民投票がアイルランドで行われる。本作のクライマックスでもあるこの国民投票で、パンティはキャンペーンの先頭に立ち、平等な権利を求める人々の代弁者となる。新たな時代に向かってパンティとアイルランドの人々が一歩を踏み出す瞬間は、まさに歴史に残るシーンである。

  

ダブリン映画批評家協会賞(2015)最優秀アイルランド映画賞・最優秀ドキュメンタリー賞
監督:コナー・ホーガン 主演:ローリー・オニール(パンティ・ブリス)
原題:The Queen of Ireland|2015|アイルランド|英語(日本語字幕付き)|カラー|86分

コナー・ホーガン監督 プロフィール
写真家として出発したのち映像業界に入り、70本以上のCMを監督する。初短編作品『The Last Times』(2002)がアイルランド最大の映画祭であるコーク国際映画祭で上映され、多数の賞を受賞。本作で初めて長編ドキュメンタリーを手がける。