長編作品

「リラックス」
RELAX... IT'S JUST SEX
(PJ Castallaneta / 1997 / USA / 35mm / 110')

 おしゃべりターラはジャヴィのHIV感染宣言を目的に仲間を家に招待するが、内容は事前におしゃべりしまくり。ところがヴィンスの連れてきた新しい恋人バズが、エイズなんて存在しないと爆弾発言。おまけにヴィンスを捨ててジャヴィとくっつく。ゲイカップル、ディエゴとドゥワイトは過剰反応、ターラの恋人ガスは放浪癖で家を出る。おまけにビアンのサリーナは恋人メーガンのヘテロ浮気に超激怒。でも代わりにかわいいロビンを見つけていい感じ。そんなある日、ヴィンスがゲイバッシングに遭い、ターラがガスの子供を身籠って…。

 豪華なディナーとワイン片手にみんなして恋愛関係のほつれを解こうとする、ゲイもビアンもヘテロもごったまぜの、楽しくもちょっと泣ける、都会派“ファミリー”コメディー。おしゃべりな世話好き“ママ”役のジェニファー・ティリー(レズビアンヒット作「バウンド」)がとってもいい味出してます。

【監督】 P.J.カスタリャネータ

...................................................................................................................................

解説

 日本でも人気の高いアメリカのTVシリーズ「ビバリーヒルズ青春白書」や「フレンズ」などに共通する、ある親しい若い男女(しかもここでは大半がゲイとレズビアン)のグループ内の友情や愛情のもつれをリアルにそして丹念に描き出し、AIDSやゲイ・バッシングという今日的な題材を扱いつつも、機知に豊んだ台詞などでユーモアたっぷりに綴った作品。1998年のサンダンス映画祭で上映され好評を博し、世界各地のレズビアン&ゲイ映画祭でも招待上映された。

 監督のP.J.カスタリャネータにとってはこれが監督2作目にあたる。初監督作品である「Together/Alone」は、「二人でも独り」というタイトルで第2回の当映画祭で上映され好評だった。

 主演のジェニファー・ティリーは、「ブロードウエイと銃弾」(アカデミー賞助演女優賞候補)、「バウンド」などでもお馴染みのアメリカを代表する若手女優。今回もコメディエンヌぶりを発揮し、映画のなかで輝きを放ってをいる。

 マイケル・アンダーソンはアメリカのTV「Party of Five」でもゲイの役を演じ幅広い人気のある俳優。他にもシンダ・ウイリアムス(『モ・ベター・ブルース』)、ロリ・ペリー(『タンク・ガール』『プリティ・リーグ』)など個性的な共演者が揃い見事なアンサンブルをみせている。

映画評

 脚本も担当しているカスタリャネータ監督は、台詞に素晴しい才能をみせ、波乱に富んだ関係を深い洞察力で描きだしている。

−San Francisco Chronicle

 正に過去10年の間で最も素晴しく感動的な映画である「リラックス」は、ゲイ・レズビアン・バイセクシャル・ストレートの登場人物が違和感なく絡み合い、上質なコメディと濃密なドラマが展開される。

 この映画はロサンゼルスの現実の生活の断片を切り抜いたかのようだ。カスタリャネータは現実味あふれた10人の登場人物の恋の成り行きを生き生きと描き出している。特にティリーとペティは彼らのキャリアの中で最高の演技を見せている。「リラックス」は、政治性とユーモア、悲劇、そして人情が完璧に調和している。

−Frontiers News Magazine

 低予算で作られた小規模な映画だが、強烈なインパクトをもった最高のエンターテイメント作品。

−Los Angeles Times

 ゲイやレズビアンという枠を超えて多くの観客がこの映画の素晴しさを発見することだろう。ここ最近の映画のなかでもっともよくできた脚本はユーモアに満ちていると同時に深い洞察力も兼ね備えている。

−San Francisco Examiner

...................................................................................................................................

<< Home Top Programme Schedule >>
<<
Festival Highlights The Films Ticket & Place >>

(C) Tokyo International L&G Film&Video Festival