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アメリカの若手レズビアン映像作家で、90年代前半、「それは愛じゃない」など一連の短編作品を発表し斬新なスタイルや辛らつな語り口でレズビアン映画界のみならずアートフィルム界においても注目を集めた。そのどちらかというと自伝的な作品とは対照的に、90年代後半のアメリカのひとりのレズビアン少女の生活に光を当てた新作「フラット・イズ・ビューティフル」では、アニメーションも織りまぜフィクションのフィルターをかけて新境地を開いている。本プログラムでは旧作「ジュディ・スポット」(1995/ビデオ/13分/日本初公開)を合わせて紹介。シャープで挑発的な作風はそのままに、内容と映像のスタイルに深みを増したベニングには、ますます目が離せない。(いずれもイメージ・フォーラム配給)
【監督】 セディ・ベニング(1973〜)
15歳の時にオモチャのビデオカメラを使い、短編の映像作品を発表した「早熟の天才」。女性として、レズビアンとしてのアイデンティティを、モノローグを多用したスタイリッシュな映像で描く。91年に「ヴィレッジ・ボイス」の新人アーティスト賞、94年にドイツの国際ビデオフェスティバル・グランプリ受賞。父親は高名な実験映像作家。作品に「新しい年」(89)、「私とルビーフルーツ」(89)、「もしもどんな女の子も日記をつけていたら」(90)など。
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