夏、フランスの浜辺。マチュー(ジェレミ−・エルカイム)の目に、遠くの砂の上に横たわるセドリック(ステファン・リド−)の姿が写
る。照りつける太陽。遠くから見つめあい、恐る恐る近づくふたり。やがて2匹の猫のように砂の上を転がり、波しぶきを浴びせ合い、濃い緑の森の中で互いを激しく求めあう。若い恋は一気に燃え
上がる。それぞれに必ずしも明るくはない家庭の事情、進学や仕事の問題を抱えなが
ら、自分の人生に及ぼすこの関係の測り知れない力に戸惑ううちに、夏の太陽はゆっくりと西に傾き、ふたりの影は別
の方向に長く伸びていく。
フランソワ・オゾンに続く期待の新人セバスチアン・リフシッツの長編デビュ−作
。敢えて個人的な意見を書かせてもらうなら、ステファン・リド−(「野生の葦」、「フルスピ−ド」、「ホ−ムドラマ」)への思い入れを別
にしても、「夏の終わり」 はヨ−ロピアン・クィア・シネマの最高傑作のひとつであることは間違いない。
協力:フランス大使館
セバスチアン・リフシッツ監督インタビュー
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