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<ゲイにとっての家族のあり方
  −最新監督作「ハッシュ!」について>

アタシが子どもが苦手なのは、あまりにピュアな気がするからなの。彼らを前にすると、どうしても自分のかつての醜い姿がそこに映し出されてしまうようで……。ま、勝手な思い込みなんだけど。橋口さんはどう?子どもとか、欲しいとか思ったりする?
いやぁ、子どもは〜あの、どうだろう。新作『ハッシュ!』は、ゲイのカップルのところに女の人が「子どもをつくらない?」と提案を持ちかけてくるっていう話なんだけど、自分のところにこういう女の人が来ても、僕はつくんないかなぁ、っていう。
『ハッシュ!』は来春公開を予定している橋口監督の新作で、とある女の人がゲイのカップルと知り合い、彼らと関わっていく……。あの3人の関係って『家族』って呼んじゃっていいのかしらね?
どうなんだろう、別に共同生活もしないし、ただ、結婚とか、恋人になりたいとかそういうんじゃなくって、子どもだけが欲しいんであって、女の人が、田辺誠一の子どもが欲しいって言いにくるんですけど。そう、子どもだけが欲しいんじゃなくって、そのゲイの、知り合った二人の男性との関係の方が大切で、その先に子どもっていうのがついてくるんだったら、それは、あの全然いいんじゃないかっていうような思いで、こう向かっていく、ちょっとがさつな、ちょっと破綻してるかなっていうような女の人が、まぁ主人公なんですけど。
映画のラストが結構、良いのよね。
いい。
皆さんにもぜひ観ていただきたいわね。アタシは最近、「家族」というものにちょっとした憧れがあるの。それは性とか血とか、制度に頼らない家族関係。『ゆるやかな家族関係』って名付けてるんだけど。映画の3人もそんな感覚なの。考えてみると、アキラくんとはだいぶ長いお付き合いをさせてもらってるんだけど、この関係も「家族」って呼んでいいんじゃないかなって思ってるの。この感覚を大切にしたいのよ。
したいですね。
もちろんアタシは、その「家族」の中ではちょっと意地悪なイトコっていう役割(笑)。橋口監督は「家族」ってどんな感覚で受けとめてる?
そうですね。映画でも言ってるんですけど、別にこの映画って『これが新しい家族でしょ』とか『新しい生き方でしょ』って言おうってした映画ではないんだけど、そういう選択をしなきゃ生きていけないっていうか、人生なんかつまんないなって思った人達がそういう選択をしてしまうっていう話で、主人公の女の人が『恋人とか友達とか自分で選択して選ぶように、自分の家族も、血がつながってるから親なんだとか、そういうんじゃなくて、自分で選択して家族を作りたかった』っていうことを言うんです。なんか自分の人生を選んでいきたいっていう、そういう前に向いて生きていきましょうっていう話なんです。
アタシの考えでは、日本にいわゆるゲイムーブメントと呼べるものが起こってからざっくりと30年。そのとき20歳だった人は50歳よ。ワンジェネレーションが経過して、つまり世代交代して、それまでと違う新しい世代のゲイやレズビアンにとってのステージが必要になってきているし、模索され始めていると思うの。アタシたちがこれから選択することのできるステージの一つに「家族」や、もしかしたら「子作り」というものもあるはず。そんなこともあって、今回のトーショーのテーマを「子ども」にしたんだけどね。
 さて、『ハッシュ!』って海外ではもう公開してるの?
えっと、この間カンヌ映画祭に行って、カンヌで上映をして。
どうだった、向こうの反応は?
いやぁ、良かったですよ、もう。なんていうんだろう、ゴージャスだし、カンヌ映画祭って。もうそれだけで僕なんか「きゃぁ〜」って感じなんだけど(笑)。映画の反応もほんとに、プロから一般の観客まで大爆笑で、笑える映画なんで、安心して観に行ってください。
お二人とも今日はどうもありがとう。
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配給:シグロ
http://www.cine.co.jp/


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