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劇団フライングステージ 
関根信一さん ロングインタビュー(3
)

≪日常のなかの演技性、役者の自意識としてのメタシアター≫
−今回の『Trick』もそうですが、フライングステージのお芝居の特徴の一つとして、お芝居のなかでお芝居をしたり、映画の話をしたりっていうふうにメタシアター的な内容っていうのが非常に多いのですが、繰り返し作品を超えて出てくる手法というのは、作者の関根さんにとって重要なんだと思うのですが。
 メタシアター的な部分については、あんまり意識してなかったんですけど、やっぱり、芝居が好きなんですね。海外のゲイの芝居って、ものすごく映画や芝居からの引用が多いのね。例えば『エンジェルズ・イン・アメリカ』っていう芝居には、『サンセット大通り』の最後の台詞「クローズアップどうぞ、デミル監督」っていうのが出てくる。『真夜中のパーティ』にしろ『トーチソング・トリロジー』にしてもそう。そんなものに影響されてるのかもしれないね。 ていうか、ゲイっていう人種(?)自体が芝居好き、映画好きなのかもしれないし、おまけにディテールにこだわるっていうのも好きだから、つい細かいところを真似してみたくなったりしてね。 僕は、初めからそういうものを狙ってたわけじゃないんだけども、やっぱりちょっとやってみたくなるていうのはあるかもね。とっても楽しいし。『欲望という名の電車』や『櫻の園』やグロリア・スワンソンの『サンセット大通り』のそのまんまはやれないけど、「何か」を持ってきてそれをネタに遊ぶことはできるっていうのをやってみたのが、今回の『Trick』なんですよね。

−始まりは「あ、これネタとして面白いからやっちゃおう」っていうことだと思うんですけど、実際お芝居のなかでの使われ方というのは、「ネタとして持ってきました」というだけでは済まなくて、やはり、やはりそれを通してかなり関根さんのメッセージが打ち出されていると思うのですが。
 メタシアターということで言えば、日常のなかの演技性であるとか、仮面をくっつけているっていうものに非常に自覚的である、自意識が過剰であるっていうのは、ゲイであったりセクシュアルマイノリティであるっていうことで自分に向き合わざるを得ない人間としては、とっても自然なことだと僕は思うのね。僕の書く台詞っていうのはとっても饒舌なんですけど、それも、本当に思ってることだけをしゃべるんじゃなくて、嘘みたいなことまでもしゃべってるうちにどんどん考えがまとまってくるような状況が多いんです。3つしゃべってるうちの2つは嘘なんだけど、嘘を言ったせいで一つの「本当」が見えてくるみたいなしゃべり方なんですよね。その人物は、自分がしゃべっている内容を耳で聞きながら、同時にしゃべってる。これって、非常に強烈な自意識のありようなんだと思うんですよね。そして、僕は、そんな強烈な自意識を抱えている人たちっていうのが大好きなんですよね。それは、ほとんど「日常を演じている」という意識につながって、僕の個人的な思い入れとしては「役者としての日常」ってものにつながってしまうのかもしれない。

(2002/07/15up)
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