東京国際レズビアン&ゲイ映画祭 the 11th tokyo international lesbian and gay film festival web site
エイガサイクィア・デ・ポンゴー・ゴー・クィアーズ!インフォメーショントップ

11thmenu イベント案内 会場マップ チケット情報 タイムスケジュール 上映作品紹介
映画祭前売り券ウェブ販売
G8 web

映画祭について 映画祭会則 関連link サイトマップ
E-mail

ナビゲーションバートップページゴー・ゴー・クィアーズ

劇団フライングステージ 
関根信一さん ロングインタビュー(4
)

≪劇団フライングステージとL&G映画祭の10年≫
−1993年の第2回のL&G映画祭では劇団フライングステージとして公演されましたよね。
 『夜のとなり』っていう芝居をやりました。僕は第一回の中野サンプラザでやってた映画祭を観に行ってたんですけど、僕はその頃、南定四郎さんがやっていたコミュニティに入ったばかりで、まだお手伝いなんかは全然してなくって、他の人たちが字幕を作ったり作品集めたりしてるのを「大変そう〜」って(笑)見てたの。それが、第二回を吉祥寺のバウスシアターで開催するって決まったときに、っていうときに、南さんから、「映画ばっかじゃなくて演劇があってもいいんじゃないの? プログラムの2コマをフライングステージ用に空けるから、そこでお芝居をやってみたら?」って言われたのね。で、やったわけ。今なら絶対にそんな無茶しないんだけど。
 その舞台は僕らにとって第2回公演っていうことになって、僕らはかなり決死の覚悟で、芝居をつくったのね。今思うと笑っちゃうんだけど、バウスシアターには僕らのこと知らない人たちも「ゲイの劇団」だと思って観に来るから、「ゲイとして恥ずかしくないものを作りましょう」って。ハッテン場になってる公園が舞台になってる芝居でね、最後の場面で雪が降るの。バウスシアターの天井はものすごく高くて、仕掛けが作れないから本当に人が登って手で紙の雪を撒いたりしてたら、その日本当に雪が降っちゃったの。朝から大雪で、10センチぐらい積もっちゃってるのね。「なんで外で雪降ってんのに、雪降らすのよ(笑)」とか言いながらやった覚えがあるね。それがフライングステージとしては初めて外に出たっていうかんじの舞台かな。
 そのとき、映画と演劇っていうものの表現のあり方の違いを、ものすごく感じたのね。映画って作り手が誰であれ、作品はもう一人歩きしていくんですよ。プリントを重ねていけば、何本でも同時に世界中でやれる。でも、演劇は人がいないとできなくって、ビデオで再現してもそれはもはや演劇ではなくなっている。しかも、生身の人間がそこにいて「僕らはゲイの劇団です」って言うと、「ああ、あの人はゲイなのね」って指差されてしまうわけで、これが映像だと全然違うことになるんだなあっていうのを実感しました。それは、僕らにとってとても大きい経験だったのね。今と比べると芝居の規模も何もかも、とってもかわいかったんだけど。なんかねぇ……、すごい若かったなって、映画祭自体もね(笑)って思うなあ。

−この10年、L&G映画祭の10年っていうのをそばで見ていて感じることってありますか。
 10年続けるってやっぱり大変じゃないですか。続けていくなかである大きさっていうものを受け入れてるっていうのが、いいなあと思いますね。規模が大きくなってくっていうことをためらわないで、受け入れてる。「なんで、この監督わざわざ呼ぶの? お金かかるだろうに」とか(笑)僕は思っちゃうわけ。でも、大使館から協賛を取ったりして、つい臆してしまいそうなことをバリバリやってるのが、僕はとってもすごいなあって思うの。映画祭って海外から作品がいっぱいくるから、世界的な規模での連帯みたいなもの、世界のなかの自分みたいなものを実感できると思うのね。映画祭の運営のしかたって、そのための「仕掛け」にとっても意欲的だなぁって思うのね。映画祭は僕にとって「ダメもとでもやってみる!」ってことのお手本だったりするんですよね。

(2002/07/15up)
>>続きを読む
All Rights Reserved by tokyo international lesbian and gay film festival