第25回レインボー・リール東京 ~東京国際レズビアン&ゲイ映画祭~ 閉幕
25年目という節目を迎え、名称も新たに7月9日(土)よりスタートした「第25回レインボー・リール東京 ~東京国際レズビアン&ゲイ映画祭~」は、7月18日(月・祝)をもちまして、無事閉幕いたしました。
シネマート新宿、およびスパイラルホールの2会場にて、特別上映を含む全14プログラム、17作品を10日間にわたり上映し、関連イベントも含め、過去最多の約15,300名のお客様にお越しいただきました。
また昨年に引き続き、今年も映画館(シネマート新宿)での開催が実現。レイトショーではなく19時台からの上映となり、会社帰りの方や学生の方など、連日多くのお客様で賑わいました。新しいID映像の初お披露目も、実現いたしました。
そして、スパイラルホールでは、25回目の開催を記念したビッグイベントが開催されました。
一つは、写真家レスリー・キーさんがメガホンを取った短編映画作品『PHANTOM』の特別上映企画。
そしてもう一つは、greenfunding「Share Your Heart」を通じてチャレンジしたクラウドファンディングで開催が実現した、同じくレスリー・キーさんによるプロジェクト『OUT IN JAPAN』の1000人写真展企画。
どちらも大きな話題を呼び、これまでずっと映画祭を応援していただいていた方々のみならず、2つの企画を通じて初めて映画祭を知った方々からも、沢山のご支持をいただくことができました。
『PHANTOM』の上映前イベントでは、レスリー・キーさん、テラスハウスでおなじみの宮城大樹さん、太田光るさん、そして、国連広報センター所長の根本かおるさんがご登壇。
またサプライズとして、レスリー氏が監督した早見優さんの『恋のブギウギトレイン』のミュージックビデオを本邦初公開。地球規模で広がる貧困や格差、環境問題を解決するために国連が定めた「持続可能な開発目標(SDGs)」を、ミュージックビデオを通じて応援する、という目的で製作され、「音楽と映像を通じたコラボレーションをきっかけに、SDGsがより多くの人々に広がっていってほしい」というメッセージとともに披露されました。
『OUT IN JAPAN』1000人写真展の開催を祝うレセプション・パーティでは、レスリー・キー氏を囲んでのトークショーを実施。国連広報センター所長の根本かおるさん、グッド・エイジング・エールズの松中権さん、そしてレインボー・リール東京の宮沢代表らが登壇。
また、歌手のKi-Yo(清貴)さんによるサプライズ・パフォーマンスで、さらに会場が盛り上がりました。
その後、オープニング作品『サマータイム』の上映前に、タレント・文筆家としてご活躍中の牧村朝子さんと、映画祭代表の宮沢英樹とのトークイベントが行われました。
70年代フランスの衣装で現れた牧村さん。思わず場内からは「可愛い…」とため息が。宮沢代表は、第25回のモチーフとなっているレインボーカラーのコサージュを胸に登場。
今年で25年目を迎える映画祭の歴史をまとめた映像をお客様にご覧いただいたあと、牧村さんご自身と映画祭との関わりについてのエピソードや、カミングアウトのきっかけなどについてお話しいただきました。「LGBTを歴史から学び、悲しい歴史をこれから繰り返したくない。石を投げ合うようなことはしたくない。」という強い将来の夢・決意を感じさせる牧村さんのお話に、思わず胸が熱くなる、25年目にふさわしい素晴らしい幕開けとなりました。
スパイラルホール二日目に上映された『西北西』の舞台挨拶では、中村拓朗監督、プロデューサーの汐田海平氏がご登壇。監督からは、この映画を撮ることになった素敵なエピソードについて語っていただきました。
「専門学校生だった19歳の頃に、特別な思いを抱いた同性の方がいました。当時は、そんな自分に対して嫌悪感を持ってしまいましたが、時が経って、自分にとってとても特別な記憶になっていることに気づきました。主人公であるケイの物語には、私の経験が投影されているんです。」
そんな感動的なお話に、劇場内がとてもあたたかな雰囲気に包まれ、上映後のアンケートやツイッターでも、多くの方々から熱い応援のメッセージが届きました。
スパイラルホール三日目に上映された『ハイヒール革命!』では、主演の真境名ナツキさん、ドラマパートで見事に中学・高校生時代のナツキを演じ切った濱田龍臣さん、そして古波津陽監督が登壇。華やかなレインボーカラーの衣装で現れた元気な真境名ナツキさんと、控えめで大人しい濱田龍臣さんの絶妙なやりとりに、お客様から笑いがこぼれました。また、登壇された御三方からは、作品に込めた思いをお話しいただき、真摯な姿勢が垣間見える素敵な舞台挨拶となりました。
真境名ナツキさん「私は、支えてくれる家族や友達のおかげで強くなれた。(同じ悩みを抱えている方に)作品を観ていただくことで、一歩前に進む勇気を持ってほしいです。」
濱田龍臣さん「LGBT当事者だけの問題だけじゃなく、周りの環境の問題でもある。興味をもっと持つこと。周りのリアクションこそが、とても大事だと思います。」
古波津陽監督「個性が大事、と言われる割に、周りと異なることを良しとしない風潮がまだある。個性の裏には、こんなバックグラウンドがあるんだよ、ということが気づける映画です。」
そして最終日には、『QUEER×ASIA ~APQFFA傑作選』にて上映された『ママには言えない私の秘密』のチャン・チョンウェン監督が来場され、ホワイエで気さくにお客様とお話ししながら、質問や感想などに耳を傾けられていました。
クロージング作品『パリ 05:59』では、司会役としてホラー系ドラァグクイーン・ライター・脚本家のエスムラルダさんがご登壇。Female Drag Queenでありコミュニティセンターaktaのセンター長でもあるマダム ボンジュール・ジャンジさんと、同じくaktaでコンドーム配布などの活動をされているDELIVERY BOYSの皆さんをゲストに迎え、宮沢代表を交えつつ、トークイベントを行いました。
本イベントでは、aktaの活動内容や、最新のHIVに関する動向についてのお話と合わせ、TENGA様からご提供いただいたコンドームを、DELIVERY BOYSの皆さんが会場内のお客様全員に配布するというサプライズも。
映画祭の締めくくりとして大変ふさわしく、また意義深いイベントとなりました。
公式パーティ『ル・グランバル』が、2年ぶりに復活。司会のオナン・スペルマーメイドさんをはじめ、豪華DJ・パフォーマーたちが映画祭前夜となる7月8日(金)に勢ぞろいし、「レインボー・リール東京」としての新たな門出をお客様と一緒にお祝いしました。
また、ブースでは500円以上の寄付をいただいた方々に、もれなくプレゼントが当たるスピードくじを実施。アルファ・ロメオ様、キャサロス様、ザ・ボディショップ様、NOLASAPS様、アメリカン・アパレル様、フレシネジャパン様、ハーパーコリンズ様、TENGA様から、数々の豪華景品をご提供いただきました。
会期中は、BEAMS様より「レインボー・リール東京」限定のオリジナル・スタッフTシャツ(非売品)をご提供いただき、たくさんの方々から「欲しい!」というお声を頂くほど大変な反響があり、大好評でした。その他、アルファ・ロメオ様、Netflix様、キャサロス様、キンキーブーツ様、ルピシア様からもご協賛をいただき、ご出展いただいたブースには連日来場者の方々が訪れ、大変な賑わいを見せていました。
2016年夏。新たなステージに立ち、生まれ変わった「レインボー・リール東京」。マツコ・デラックス様、夏木マリ様をはじめ、多くの著名人の方々から素敵なメッセージを頂くことができ、映画祭に花を添えていただきました。
お暑い中お越しいただいた皆様、様々な形で応援してくださった皆様、スタッフ一同よりこころから感謝申し上げます。
今後も、もっとカラフルで、もっと自由な映画祭を目指し、進化していきます。
また皆様にお目にかかれる日まで、どうぞご期待下さい。
レインボー・リール東京運営委員会
開催概要
名称:第25回レインボー・リール東京 ~東京国際レズビアン&ゲイ映画祭~
(The 25th Rainbow Reel Tokyo ~Tokyo International Lesbian & Gay film Festival~)
日時:7月9日(土)~7月15日(金)/7月15日(金)~7月18日(月・祝)全10日間
会場:シネマート新宿(新宿区新宿3丁目13番3号 新宿文化ビル6F)
スパイラルホール(東京都港区南青山5-6-23)
主催:レインボー・リール東京運営委員会 NPO法人レインボー・リール東京
協賛:アット エンタテインメント株式会社/アメリカンアパレル/アルファ ロメオ/特定非営利活動法人 HIVと人権・情報センター/L&G Timpani/LGBT ファイナンス(EY、ウェルズ・ファーゴ、GEジャパン株式会社、J.P.モルガン、シティ、ドイツ銀行グループ、野村證券株式会社、バークレイズ、バンクオブアメリカ・メリルリンチ、ブラックロック・ジャパン株式会社、ブルームバーグL.P.、モルガン・スタンレー、UBSグループ)/キャサロス/GOLDFINGER since 1991/gossip/株式会社ジャパングレイス/松竹株式会社/スニップス/ソフトバンク株式会社/株式会社 TOOT/東京大学石丸研究室/株式会社トロワ・クルール/News Café/Netflix株式会社/novia novia/株式会社 NOLASAPS/はりまメンタルクリニック/ピースボート/株式会社フレシネジャパン/ブロードウェイ・ミュージカル「キンキーブーツ」<来日版>/ミュージカル『プリシラ』/REACH Online 2015-2016/株式会社 ルピシア
協力:Asia Pacific Queer Film Festival Alliance/認定NPO法人 グッド・エイジング・エールズ/シネマート新宿/有限会社 スタンス・カンパニー/日本映像翻訳アカデミー(R): English Clock/ラテンビート映画祭/株式会社 ワコールアートセンター
後援:台北駐日経済文化代表処 台湾文化センター/ブリティッシュ・カウンシル/アメリカ大使館/ベルギー大使館/スウェーデン大使館
Special Thanks:フクイヒロシ