queer de pon

編集後記。
あるスタッフの日常

「タイトルこそ命〜ぐっしょり下唇とヘテロ光線の遭遇〜」
(2001.5.29)

最近、洋画の邦題を見て感じるのは、英語のタイトルをそのままカタカナにして使っ ている作品が多いこと。昔に比べて、ずいぶん英語が日本語の中に浸透してきたというのもあるかもしれないが、カタカナでかかれたタイトルはどこか味気なく、それを 選んだ側の意気込みが感じられなくて、さびしい気がしていた。

映画祭でも、作品選びを終えてパンフレットの編集作業に取り掛かると外国の作品の邦題を考える。しかしこれがなかなか難しい。すでにタイトルがあると、どうしてもそのイメージから抜けられなくて、結局はカタカナタイトルにしてしまうことも多い 。だが、やはり私はせっかく私たちが映画を選んで、邦題も考えるチャンスが与えられているのだから、ここはひとつ皆をうならせるようなタイトルをつけてみようと思って、あれこれ試行錯誤を重ねるべきだと考えた。

実は、このカタカナタイトル・オンパレードのご時世で、妥協を許さないすごいタイトルばかりついている映画がある。それはピンク映画だ。日本のピンク映画の公開情報をほぼ網羅しているというHPがある。(アドレスは 、http://www2u.biglobe.ne.jp/~p-g/)アクセスすると、そこにはずらっとピンク映画のタイトルが並ぶ。一つ一つ見ていくと、それだけでも時間がかかる。画像のある のと無いのがあって、でもそれは開いてみるまでわからない。画像が無いと知ってがっかりする私の姿は、エロじじいと大差ない。

タイトルの一例をあげると
痴漢電車 ぐっしょり下唇 (OP映画配給)
喪服妻の不貞 乱れた黒髪 (Xces配給)
未来(H)日記 いっぱいしようよ (新東宝配給)
痴漢ハレンチ学園 制服娘の本気汁 (新東宝配給)

など、どれも見たくなるようなタイトルばかり!!(と思いませんか?) とにかく 、その映画をまだ観たことの無い人にとって、あらすじと画像、そしてタイトルが観るか観ないかの決め手となる。私はこのピンク映画のタイトルにインスパイアされ、 今年のタイトルを考えた。

今年のプログラムには10回目にして初のアニメ短編集がある。その中で、 「Hete-Roy」という作品があって、その邦題をプログラマー達で考えることになった 。そのアニメは、どんなゲイでもある特殊な光線を浴びせられると、たちまちヘテロへと変身してしまう、というコメディ。スタッフの中からは、カタカナでヘテロイで よい、という意見や、ヘテロ光線は? などという意見が飛び交った。私の考えたタ イトルは、「ヘテロ光線〜オネェ様のお肌には大敵!〜」である。オネェ様にとって 、この季節、紫外線より怖いのが、このヘテロ光線なのよ!! という気持ちをこめた。私は、スタッフから満足しないという意見が出たときのことも考えて、このタイトルを 出したとき「もっとピンクっぽいタイトルに変えることも出来ます」と書き加えておいたが、結局「ヘテロ光線〜」が採用となり、私がひそかに大本命として用意してい た「淫乱光線〜あぁ、許して義父さま!〜」は日の目を見ずに終わってしまった。

ついでに書いておくが、このピンク映画のHP、タイトルもさることながら作品紹介もすごい。例えば、「未亡人銭湯3 覗いちゃった」(OP映画配給)の作品紹介、書き 出しは「梨子は夫を腹上死でなくし・・・・」で始まっている。また、本文中にも「 大人のおもちゃのセールスマンの彼の自慢はバイブより大きな巨根」などとある。タ イトルも作品紹介も見習うべきテク満載のピンク映画にユミコはすっかり心奪われて いるのだった。
おわり

P・G web site
http://www2u.biglobe.ne.jp/~p-g/

(ユミコ)

「長生きの秘訣」
(2001.5.04)

わたしが食べ物に気をつけているというのは、もう皆さんご存知でしょうが、食べ物 だけに気をつけていても、健康でいられるとは限らない。健康には運動(←まったくしてない)、ストレス(←映画祭のせいで、たまりまくり!)など、様々な環境が影響する。

以前テレビで興味深い事実を紹介していた。それは、福祉先進国スウェーデンと、ある韓国の老人ホームの様子を紹介する番組だった。(別 に韓国が遅れているとはまったく思わないが、ただ例として紹介されていた)。スウェーデンのほうは栄養士が管理する完璧な食事、決められた時間に車椅子で散歩、暖かく、親身になって相談できる専任のスタッフが世話をしてくれる。そこは、何の不安もなく暮らせる天国のような世界だった。

一方、韓国の老人ホームでは、食事の時間に少しでも遅れて食堂に行くと、もう自分の分は誰かに食べられてしまう。皆それぞれ自分のキムチのカメを持っていて、自分のキムチの自慢話をしながら、少しでも多く食べようと時間前に食堂に集合するのだった。ここの老人ホームでは特にレクリエーションには力を入れていないとの事だった。

老人になっても、ご飯にありつけるかどうか争うなんて、寿命が縮まりそう、と思うのだが、その番組では先のスウェーデンの老人ホームより、韓国の老人ホームのほうが 入居者の平均寿命が長い、と報じていた。

とすると、長生きの秘訣はなんだろう。ストレスも、確かにためすぎたら体には悪いけど、何も悩みがなかったり、考え事をしなかったら、ボケるのも早いかもしれない。そして、韓国の老人ホームの例で感じたのは、長生きするには「強欲」であること。生存競争の中でもまれていたほうが、丈夫な人間になるのかもしれない。この話だけでは、生存競争が働いていることが、長生きの原因であると断定はできないが (キムチを食べているから、長生きなのかもしれないし!)、いくつになっても欲や希望をもっているということは必要なことなのだと思った。

まあ、長く生きさえすればいいってものでもないかもしれない。中身も重要だからね。でも、長生きしたいなら、強欲でいるほうがいい。政治家がいい例。80才近くになって、まだ権力争いに参加している政治家は皆恐ろしく元気だ。(元気なくせに、収賄とかの容疑がかかると、突然入院したがる・・・・)。以上、ユミコの「強欲論」でした!

(ユミコ)

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2000年12月分

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