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ニューヨークを舞台に恋愛のカンタービレが鳴響く!
□レズビアンのアレグラはオペラが大好物。彼女はフィリップというオペラ好きの男とも関係を持った上に、グレースというノンケ女性とも付き合い始め、さぁ大変。しかしアレグラが知らないのはフィリップとグレースが以前付き合っていた事実!?そんな中アレグラは自分の性的指向を疑い始め…。
□同性愛を面白おかしく茶化しているウッディ・アレンのシニカルなコメディ映画のように、『NYカンタービレ』は役割分担だとかジェンダーやセクシャリティーだとかの固定観念を楽しく弄くっています。あの『2ガールズ / Incredibly True Adventure of Two The Girls in Love』の監督が贈る長編第二弾!愛の三角関係の行方は!?
オペラ、ヘビメタ、30年代のコメディ映画、フロイト、ニューヨークにアメリカ、こういったものが融合した結果が私で、『NYカンタービレ』なのです!
■マリア・マジェンティ監督・インタビュー
■私がこの映画について話すと、なんだか独りよがりなことを言ってしまいそうなのでこの際「とにかく映画を見に行って!それで気に入ってもらえれば万々歳」とでも言って終わりたいけれど、いっそのことワインと葉巻を片手に長々と語ってもいい気もするし・・・。とにかく、映画を撮るのはとてもやっかいで気恥ずかしいし、労力の要る作業です。観客のご想像に全てお任せしたいところだけど、インタビューも仕事の一環ということで、始めるとしましょう。
■『NYカンタービレ』の制作には7年を費やしました。脚本は粋でシンプルなロマンスですが、主役のアレグラを演じられる役者を見つけられなかったのです。何度も壁に突き当たり、ジョークや会話が面白く、独創性があっても、映画制作ではうまくいくことよりいかないことの方がよっぽど多いことを思い知らされました。主人公はニューヨーク独特の雰囲気を持つ頭の切れる女性です。レズビアンを自称しているけれど、パートナーがどう名乗るかは特に気にしない。好きなものは、アメリカ人なら大抵退屈するオペラ。自分や相手の気持ちをよく確かめもせずに男性と、次は女性と寝てしまった軽率さが災いして、トラブルに巻き込まれます。
■アレグラの役には、彼女の知的さと間抜けさを両方表現でき、自然体なのにセクシーで魅力的に見える役者が必要でした。あらゆる場面で主体でありつつ客体でもあるという、そういう意味で伝統的な男役でもあります。70年代のフェミニズムと80年代のアイデンティティの政治、それから今また復活しているジェンダーステレオタイプの融合が(映画を通して追究した)テーマです。アメリカ社会の性規範と、男女がそれに絡め取られていく様子をコミカルに描いて皮肉りたかったのです。槍玉にあげたのは陳腐で下らない、男が良く使う女性蔑視的なジョークばかりですけど、観客に笑ってもらえれば私は本望です。
■アメリカは、胸のない賢い女が性的快楽と自由を求めるには、まだなにかと障害が多い社会だと思います。だから私が映画を撮る上で直面した問題は、いかに典型的なガリ勉っぽくない外見で賢い女を演出し、かつ面白くするために「犯られ役」でもあり「犯り役」でもある人物として描けるかでした。(映画業界では女の登場人物を常に「犯りたい気にさせる度」で測るものですから、私もついこんな言葉を使ってしまいましたが。)
■登場人物は皆全て私が今まで付き合った恋人や友人など実在の人物がモデルになっています。
■コメディは私にとって、常識をひっくり返すための最高の手段です。だから、男や女がどうあるべきかについて私がおかしいと思うことを書きました。影響を受けた映画には、『いとしの殿方
(My Man Godfrey)』や『アルジェの戦い (The Battle of Algiers)』が挙げられます。大学で専攻した哲学や、精神分析理論、アクティビストとしての長年の経験も、映画に反映されていると思います。オペラ、ヘビメタ、30年代のコメディ映画、フロイト、ニューヨークにアメリカ、こういったものが融合した結果が私で、『NYカンタービレ』なのです。
マリア・マジェンティ
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邦題:NYカンタービレ |
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原題:Puccini For Beginners |
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監督:マリア・マジェンティ |
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製作国:アメリカ合衆国 |
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製作年:2006年 |
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上映時間:82分 |
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上映言語:英語 |
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上映字幕:日本語 |
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公式ウェブサイト:Go! [英語版] |
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上映歴:ジャパン・プレミア
上映歴:(日本初上映) |
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受賞歴:サンダンス映画祭 2006年審査員賞(ドラマ部門ノミネート) |
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